第46代理事長 大木 一隆


一般社団法人座間青年会議所

第46代理事長 大木 一隆

【スローガン】
さぁ、いくべ‼
~楽しくなければJCじゃない~

【基本理念】
楽しいだけがJCじゃない

【はじめに】
「失敗から何かを学び、成功に結び付けるのが真のマーケティングである」これは、現代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー氏の言葉です。私にとって大きな指針となっています。学生時代にこの言葉に出会い、社会に出てから何度も困難な壁にぶつかり、度重なる失敗や挫折を経験しましたが、それらを乗り越え、学びを得ることができました。
失敗を恐れず、挑戦していく。しかし、失敗をしないための最大限の努力や準備、そして常に変化するターゲットのニーズに対応することが必要です。この姿勢は、マーケティングだけでなく、青年会議所運動においても非常に重要だと感じています。
座間青年会議所は1979年に座間市内の青年有志によって設立され、「明るい豊かな社会の実現」を目指して46年の歴史を紡いできました。この、「明るい豊かな社会」とは何か、そしてその目標はまだ達成されているのかについて考えると、一部は達成されているものの、多くは未だ達成されていないと感じます。これは、この理想が時代とともに変化し続けるためです。JC宣言にもあるように、私たちの目的は「輝く個性が調和する未来」と「持続可能な地域の創造」であり、一人一人の幸せを追求することが核心にあります。
私たちは、より地域に近い存在として、多くの市民の幸福を増やすために様々な運動を行う必要がありますが、そのためには「人との繋がり」が重要です。市内では約700の地域団体が活動している中で、共同で問題解決に向かう役割を果たすことを行います。そして、私たちは地域に深く結びつき、未来のリーダーたちを一人でも多く輩出し、地域に新たな可能性を広げていく使命を担っています。今一度、私たち青年こそが街づくりのリーダーであるという原点に振り返り、46年の過去から
学び、成功に結びづける運動展開をしてまいります。

【過去から現代へ】
座間青年会議所のこれまでの歴史の中に、現代への気づきがあります。私が委員長として議案を作成する際に過去の議案を見返すことが増え、座間青年会議所の歴史を知ることができました。そこには過去の背景や成功、失敗が詰まっており、これらから学ぶことで今の活動をより良くできると考えます。
原っぱに、多くの人が行き来すればするほど、踏み分け道ができる。そこには確かに誰かが通った道がある。その道が時代の変化によって、整備され街道となる。これによって、他の町に行くことができ、新たな人との出会いがあり違う文化に触れることができる。さらに街道の整備によって車輪が付いた乗り物が通れるようになり、どの国へでも赴くことができる。その道には歴史があり、その歴史が無くては道として現代に残っていないであろう。
私たちの運動が今に生き続けているのは、先達が道を作り続けてこられたからこそ、私たちが歩み続けられることを忘れてはなりません。私たちは整備された道をただ歩くだけではなく、時には補修し、新たな道を創り出す必要があります。そのためには、過去にどのように作られてきたのか、どの方法が正しいのかを理解することが重要です。歴史を知ることで、成功や失敗から学び、より良い未来に向けて歩み続けることができるのです。これが、座間青年会議所の活動を持続可能なものにする鍵であります。
【愛着ある地域に繋がりを】
座間市は約13万人が住む地域で、東京・横浜のベッドタウンとして機能しています。近年、転入者が微増しており、世帯数も増加しています。しかし、経済的な背景や共働き世帯の増加により、子どもと過ごす時間が減少し、子どもが一人で過ごす時間や友達と遊ぶ時間が制限されることがあるため、社交的な交流の機会が不足している状況が見受けられます。
私たち青年会議所は、地域社会の発展だけでなく、次世代を担う子どもたちのために、より良い未来を創り出すことを目指しています。そのためには、地域の「つながり」を作り、共に支え合う精神を育むことが重要です。青年会議所のメンバーは地域のイベントやボランティア活動を通じて、地域住民と交流を深めています。この交流が地域全体の一体感を高め、支援が必要な子どもたちに希望を与える活動へと繋がります。
私たちの活動が、子どもたちに「希望」を与え、彼らが未来に自信を持って歩んでいける社会を作ることを果たさなければなりません。私たち一人一人の行動が、未来を切り開く子どもたちへの支えとなります。
地域社会の発展とともに、次世代を担う子どもたちが健やかに成長できる環境を整え、私たちの経験と情熱を持って支援することが大切です。子どもたちが自信を持って未来に進んでいけるよう、私たちが寄り添い続けることが求められています。地域社会が一丸となり、すべての子どもたちを温かく支え合う社会を築くことが、私たちが目指すべき理想であり、愛着のある魅力的な地域づくりに繋がると信じています。

【魅力ある青年会議所】
今、私たちに必要なのは、座間青年会議所の魅力を再発信し、変革を求める人々のための団体を再活性化し、持続可能な地域運動を実現することです。私たち一人ひとりが、自らの行動によって変化を生み出し、地域社会に貢献できると確信しています。しかし、近年、メンバーの経験不足などにより、その魅力が何なのかがわからない。どのように伝えればよいのかといった課題があります。今こそ、メンバー全員で魅力を再確認し、再発進する必要があります。
青年会議所は学びの場であり、自己成長の機会を提供してくれる場でもあります。しかし、単に入会するだけでは成長を保証されません。自ら積極的に行動しなければ、どんなに優れた環境が整っていても、変化は訪れません。興味や挑戦心から入会した皆さんには、この青年会議所が提供する無限の可能性を最大限に活かして頂きたいと思います。自分の成長に責任を持ち、積極的に活動することで、団体としても個々としても大きな変化を起こすことができるのです。
青年会議所は、「青年の青年による青年のための団体」であり、人と人との繋がりを大切にし、共に学び、育ち合うことにあります。また、青年会議所には、世界的なネットワークを持つという強みもあります。神奈川県には21箇所、関東地区には155箇所、日本全体で671箇所、さらに世界には約4,700箇所が存在し、国籍を超えて「明るい豊かな社会の実現」を目指しています。
しかし、これまでそのネットワークの魅力を活かしきれていませんでした。限られた一年間を全力で駆け抜ける中で、新しい事業展開に注力し、内部での成長を重視してきたからです。これは座間青年会議所の特色でもありますが、一方で「井の中の蛙」になってしまう危険性もあります。これからは、積極的に外部の研修機会やネットワークを活用し、まずは、JCとはから始め、より実践的な青年経済人として活動できる研修を通して、自らの力で変化を生み出すことが必要です。

【魅力から会員拡大へ】
本年度の期首数は16名となっており、この人数は現役だけで考えると、座間青年会議が設立当初の会員数に相当します。多くの人にこの団
体の魅力を伝えるには、多くの同志が必要です。今年度はその魅力を多くの人に伝え、10名の拡大を目指して活発に活動を行います。
私たちが所属する座間青年会議所は、地域課題に貢献し、個々の成長を促す場であると同時に、社会に対する責任を実感できる貴重な機会を提供します。会員拡大に向けて、私たちが伝えたい魅力は、単なる数の拡大にとどまらず、より深い意味を持っています。それは、「共に学び、共に成長し、共に楽しむ仲間を増やす」ということです。
私たちの団体の最大の魅力のひとつは、何と言ってもその仲間の存在です。新しい仲間が増えることで。私たちの活動はさらに広がり、多様な視点や意見が集まります。これは団体としての強みとなり、個人としての成長にも繋がります。共に汗をかき、時には意見をぶつけ合いながら進んでいくことで、どんな困難も乗り越える力を得ることができます。
座間青年会議所では、地域の課題に取り組む様々な対外事業を行っています。事業を通じて、地域貢献はもちろん、リーダーシップやチームワーク、企画力など、実践的なスキルを学ぶことができます。これらの経験は、個々の成長だけでなく、メンバー全体の結束力を強化する大きな要素となります。
現在のJCが「楽しい」と感じられていますか。もし自分が楽しめなければ、他の人を引き込むことはできません。私自身も最初は役職を重ねるごとに責任の重さを感じ、辛い時期もありました。しかし、仲間がいたからこそ乗り越えられたし、時には意見をぶつけ合い、喧嘩もしました。それでも今では、その経験がかけがえのない宝物であり、大切な仲間たちとの絆を築いています。
JCは、街の未来を本気で考える仲間が集まっているからこそ、楽しいのです。楽しくするのも辛くするのも、自分次第。そして、仲間も自分も楽しくさせることができるのが、この団体の大きな魅力だと私は感じています。
会員拡大は、単に新しいメンバーを迎えることではなく、団体の活動や理念を広げることに繋がります。理事長が先陣を切り、拡大に対する意識を全メンバーで共有し、積極的に拡大活動に参加することが必要です。全員が拡大を意識し、仲間を迎え入れることで、私たちの団体はさらに大きく、強くなるのです。
座間青年会議所は、仲間とのつながり、社会貢献を通じた成長、そして楽しさを作り出す力が揃った、非常に魅力的な団体です。その魅力を伝えるためには、私たち一人ひとりがその価値を実感し、共有することが最も大切です。そして、その魅力を多くの人々に伝え、共にこの座間青年会議所をさらに発展させていきましょう。

【地域にとって良い事業を】
座間青年会議所では、地域の特色である坂道を活用したZAMA坂道マ
ラソン大会を開催しており、過去には、最大1,000名を超えるランナーや協力者が参加する規模に成長しました。この大会は座間青年会議所の魅力ある事業のひとつであり、小さな運動から大きな運動へと発展することで、地域の魅力を創造しています。
しかし、広報活動が十分でないために参加者の人数が減少し、設営にかかる費用が圧迫しています。青年会議所のメンバーはビジネスマンでもあるため、費用が圧迫している事業をさらに継続させるのは現実的ではありません。また、規模が大きくなるにつれて運営に必要な人数も増加しますが、近年はその人数が減少傾向にあり、協力者との調整やきめ細やかな気配りが難しく、関係性の向上が課題となっております。
第14回を迎えるこの大会は地域に認知されつつありますが、本年度は広報活動を強化することを重きに置きます。これにより、参加者を再び呼び込み、地域資源である坂道を地元住民が楽しめるような運営を行い、収益を最大化することができます。また、さまざまな地域団体との連携を深めることによって、新たな発見や成長が期待されます。これにより、座間青年会議所が地域に貢献し、より強固なコミュニティを築くための基盤を整えることができます。しかし、今後この事業が地域にとって必要なものであるか、また、座間青年会議所として持続可能な運営ができるかなどを本年度、検証します。

【次代を担う子どもの共育】
相手とのコミュニケーションは、時に多くの誤解や傷を生むことがあります。特に、現代ではメッセージのやり取りが増え、それがいじめや誤解を生む原因となることもあります。昔は、携帯電話がなく、固定電話や学校での会話、文通を通じて友人を作っていました。好きな相手に文通を送る際に、何度も書き直して言葉を選び慎重に確認したものです。その頃の「言葉の重み」は、今よりもずっと深かったように感じます。
時代の変化によって私たちの生活は便利になりましたが、それに伴ってコミュニケーションの重みや意味が変化しているように思います。 私たち座間青年会議所では、地域の子どもたちが直接対話し、触れ合う機会を大切にしています。例えば、「わんぱく相撲座間場所」は、大凧祭りの会場で開催され、座間市の風物詩となっています。この大会には、市内や近隣の小学生が参加し、相撲を通じて他の子どもたちと交流しています。
相撲は一対一で体をぶつけ合う競技で、選手たちは本気でぶつかり合い、その中で悔しさや喜びを共有します。「昨日の敵は今日の友」という言葉があるように、相撲を通じて友情が芽生え、非言語コミュニケーションが重要な役割を果たします。言葉だけでは伝わらない感情や思いを、体を使って表現することで、子どもたちは大切な学びを得ています。
例えば、引きこもりだった子が何かのきっかけで出場したこの大会で見事、大関となり、その後、日本青年会議所主催の全国大会に進出したことがあります。それまで人と話すことが苦手だった彼にとって、相撲を通じて他の地域の子どもたちとの出会うことは、大きな一歩となりました。このように、相撲を通じて新しい友達を作り、心の中に自信を持てるようになる子どもたちが増えています。
「親は子を見て育つ」と言われていますが、私たちも青少年健全育成に携わる中で、その重要性を日々実感しています。私たちの目標は、一人でも多くの子どもたちが、一生の友を得られるような環境を作ることです。そして、子どもたちの個性が調和し、輝く場所で彼らが成長できるように、子どもたち視点に立った事業を展開していくことが、これからも必要だと感じています。

【結びに】
私たちは、何のためにJC活動を行っているのでしょうか。今、座間青年会議所の活動が当たり前になっている中で、私たちはその本質を見落としていないでしょうか。
「楽しくなければJCじゃない」とよく言われますが、今、その意味がようやくわかります。自分たちが楽しめない運動を他の人に勧めることはできません。楽しい場所では、楽しさが自然と広がりますし、悲しい場面ではその感情が共有されます。だからこそ、まず私たち自身が楽しむことが大切なのです。しかし、「楽しいだけがJCじゃない」とも言われます。部活動のように、辛い練習の成果が達成された時にこそ、本当の楽しさが得られるように、青年会議所の活動にも同じことが言えます。事業計画がその「練習期間」であり、事業当日がその成果を実感する「瞬間」なのです。辛い時でも楽しむ心を忘れずに、全力で取り組むことが重要だと考えます。
私たちが活動する理由は、地域のため、仲間のため、青年会議所のためです。だからこそ、悩みや喜び、苦しさを共にする仲間が必要です。互いに学び合い、その経験を力に変えるのが、私たち座間青年会議所のメンバーとしての姿です。
確かに、今までのやり方が楽であることは理解しています。しかし、私たちは常に新しい挑戦を続けなければなりません。さもなくば、時代に取り残されてしまいます。座間青年会議所がこれから10年、20年、30年と必要とされ続けるには、失敗を恐れずに挑戦することが大切です。これまでの46年間の経験を活かし、十分な準備を行い、その成功を多くの人に伝播させていくことが重要です。
「さぁ、いくべ‼」という言葉とともに、私たちは共に歩み、前進していくことが、今の私たちに最も必要なことなのです。